33.4フォークのブッシュを打ち替えてみた

ああ??そんなもん打ち替えてね~でさっさとオリジナルのアウターチューブ売れや!

とか言われそうだが、当方もバイク屋である以上頼まれたらやるんである!ちなみにオリジナルのアウターチューブは試作品をバイクに組んで絶賛テスト中である。いましばらくまて!

って事で今回はお純正の通称33.4フォークのアウターチューブブッシュの打ち替えの模様をお届けしよう。ちなみにこの作業、大変である。しかもそれを4本まとめてやる運びとなった・・・

なぜ大変なのか?その辺も含めてどんな作業をするのかちょっと書いていってみよう。

10本10通りのサイズです

まずはこれ。当時からこうだったのかはたまた長い間使われて続けてこうなったかわからないが、どのフォークをとっても同じサイズってことはない。

10本あったら全部サイズが違うのである。ブッシュって事でアウターチューブに圧入するんだけど、この圧入部分がまず違う。

おそらく経年劣化だと思うんだけど、楕円だったりテーパーだったりベル状だったりとそれはも多種多様な有様を見せつけてくれる。

なんせ、

33.4アウターチューブのブッシュを抜いたところ

この厚さの鉄だからねぇ・・・そりゃ歪むってもんだろう。ちなみに写真は今まで入っていたブッシュを引っこ抜いて内径を測るためにサビを取ってかるーくホーニングした状態だ。測るところからこの手間だったりする。

この有様だから当然既製品は使えない。既製品を持ってきてもどうせガバガバだったりインナーチューブに合わなかったりとろくなことがないのである。そういうわけで今まで入っていたブッシュを引っこ抜いたら測定測定測定である。

ブッシュ圧入部分の内径測定

この段階であまりにも歪みがでかい場合は圧入する部分を内径研磨しなきゃならなかったりするんだけど、今回はまぁなんとか我慢(?)できる範囲だったので、早速いつもどおり

ブッシュを旋盤で作成しているところ

旋盤でシコシコ削って狙っていく作業をするよー・・・はぁ

みーんな同じサイズならバーーーーって削ってドーーーーんって行くんだけどねぇ。しかも場合によってはちょっと長めに作らなきゃならんかったりして鋼材の選定にも気を使う。だって作り始めて最後の方になったら

うおおおおお!!!!あと2センチたりねえええええ!!

とか嫌だしね。

こうやって測って圧入シロを考えて決めたサイズに削ったらお次は内径である。

インナーチューブよ、お前もか

内径は流石におなじでしょ?

と思うかもしれないが、古いのがそのままついているやつはそうはいかない。インナーチューブですら太さが変わるんである。これも減っていることが多いので、ストロークしてよーこすれる部分は細くなっていたり、全く擦れない一番下の部分が太かったりして、どこを基準に数値を取るのかが難しい。

太い部分を基準に取ると肝心の部分でがガバガバになったり、んじゃ穴径小さくするかーなんて思うとインナーチューブが入らないなんてこともよーくあるんで、旋盤では多分これぐらい!って数値で掘って最終的にはリーミングとホーニングで仕上げることになるよ。

ちなみにこのインナーチューブ、きっちり測ると大体33.28mmぐらいである。さらにさらに35のナローも測ると34mmぐらい。

35はまぁわかる。語呂もいいし35と言いたくなるだろう。

だがしかしだ、通称33.4フォークよ、オメーは小数点も使っているんだ、どうせなら33.3とかいう通称でよかったんじゃないのか?この辺はどうなんでしょ?誰か教えてください。

で、

新しいブッシュが入ったナローフォーク

こんな感じで完成!これを4本である…ちょっと面倒だった

終わりに

ちなみにこの33.4フォークはシールが入らない初期型って事でとてもじゃないがフォークオイルを入れることはできない。入れたとしてもジャバジャバ出てしまう。

また、ご覧のように異常なまでに細い(薄い)上にブッシュ支持とはいえ、強度はしれたもんでやっぱりどーしてもふらふらするんだよね。今の交通事情で乗るのはそれなりに怖いと思う。

って事で35アウターチューブもうちょっと待ってねって話でした

おわり!

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