ハーレーの4速ミッションを直す

メインドライブギヤとベアリング

作業気分度:辛口

ミッションとかオーバーホールすると値段が高いなー

と、思っている人もいるであろう。今回はなぜちょっと(いや、かなり)高くなってしまうのか、その悲惨な作業の一旦をお見せしよう。

とにかく細かい作業と測定を繰り返す!

今回は76年以前のショベル用ミッションであるが、割と壮絶な状況で入庫された時はクリアランスのとり方がいい加減でスプロケがキッツキツ状態で回らない状態であった。

で、まずは上の写真のようにレースを入れ替えてラッピングしてクリアランス調整。んで、44本あるベアリングを一本一本入れていく。

こうやって組んだ後にスプロケットを取り付けてスラスト量をチェック!

で、またバラす・・・

メンドラとスラストワッシャー

この写真のワッシャーを交換して適切なクリアランスを出すよ。

うまく行かないとこの作業を何回か繰り返す羽目になる。

こっちがうまくいったら今度はカウンターシャフトのサイドプレイを出していくよ。これもまたこの年式独特なんだけど、ベアリングを一本一本指していく。

カウンターギヤとベアリング

これもまた前もって適切なベアリングを選んで置く。ここまでで何個ベアリングを測ったかもはや量ることは不可能状態。

さて、ここまでやって問題発生。

カウンターシャフトが入らない!原因としては…

  1. ケースのまっすぐが出ていなく、シャフトが斜めになっている
  2. 某いっつも数値がいい加減なものを売っているメーカーのお約束の不良品

これをケースに収まっている間にあれやこれやと手を尽くして原因を探っていく。
今回は幸い?にして不良品(またである)だったので、再び外して旋盤で加工。しかし数値は当然100分代なので作業は慎重になっていく。こんな感じ。

旋盤と数値出し

こうやって正しい位置を出してその後で内径加工。

これでうまくいくかと思いきや、よくよく測るとあれですた。ブッシュの厚みが足りずカウンターギヤのエンドプレイがまともに出ないってのが判明!

正直この辺で完全に沼にハマる覚悟でブッシュを作ることを決断、。んで、

ブッシュ制作過程1

鋼材を削る!削り倒す!色々な工程をすっ飛ばして

ワンオフブッシュがケースに収まっているところ

はい!やっと作ってここまで戻ってきましたとさ。

終わりに

このように使い倒された古いバイクをきっちり直そうとするとイレギュラーなわけのわからんことが出てきて、時間や部品が相当いることになる。

挙げ句にここ最近の売っている旧車用の部品の品質低下は著しくてこんな感じで使えないと判断したら作る場合しかないことも多い。

いっつもこんなことしているわけじゃないんだけど、ちょっとでもあいつらいっつもこんなことしてんのかざまぁ!と思っていただければ幸いである。

終わり!


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