なんと気がつけば2ヶ月ぶりのブログ更新になっちゃた!
おい・・・楽しみにしているんだからたまに更新しろよ・・・
とか色々言われていたんだけど、なんかバタバタしてて更新が後回しになってしまってました・・・すいません。
久しぶりの更新のネタは来る12月の頭にあるホットロットショー出店のお知らせと、以前から作ってもらっていた1953年アップ用の油圧ユニットの試作品をお見せする内容にするよ。
そもそも油圧ユニットってなに?
以前から作ろうと思って実際に作ったのは1953年からショベルの終わりまで実に32年間ほどエンジンの一部に据えられ続けてきた部品である。
この油圧ユニット、仕事としては名前のとうりプッシュロットの下に座り、温まったり冷えたりプッシュロットとか色々減ってきたりして適正なクリアランスが一点で取れないプッシュロット調整を油圧の力を借りて適正なクリアランスに常に保つための部品である。
その構造は32年間も変化なしで使い続けられるほどよくできており、適正な油圧をしっかり保てれば煩わしいプッシュロット調整からオーナーは開放され、ソリッドプッシュロット(一度組むとクリアランスは一定の組み方。社外品でしか存在しないよ)では絶対に不可能な動的調整を行えることにより冷えてても温まってても非常にタペットノイズが静かになる優秀なやつだ。
欠点としては壊れると値段が高いってところなんだけど、それでもこいつがもたらす静粛性は代え難いものがり、程度のいいものは大事に使われているのが現状である。
なぜ油圧ユニットを作ったか?
こんな大事な部品だが、他の旧車パーツ達とおなじでここ近年ざっくり10年前ぐらいからだろうか?品質の低下が著しかったのである。
この部品は主におそらく台湾製のものとアメリカ製のものがあった。台湾製のものはクリアランスが一定ではなく油圧ユニットとしてまともに使えればラッキー!ぐらいの品質でなかなか使いづらい。ただし値段が安いので交換し易いというメリットがあった。
対してアメリカ製のものは元々クレーンカムというところが自社ブランドとして販売していたものを筆頭にCCI、ドラッグスペシャリティーズ等アメリカの一流部品デスビが販売しており、現在はクレーンカムを合併吸収した(多分)S&Sが自社ブランドとして販売している。
これがね~、近年のは予定通りに機能しないものが多く、せっかく油圧ユニット組んだのになんかうるさいとかマニュアルどおりの調整をすると油圧が抜けて音が出るとかろくなことがなく、品質的に台湾製と同じかそれ以下みたいな状態だったんですわ。
油圧ユニット?そんなもんいらねぇ!ハイカムバリバリだぜ!
と、割り切れる人には全く問題ないのだが、フツーにのってフツーのカムがついているバイク乗りにとってはソリット以外選択肢がないって状態だった。
これじゃいかんでしょ!ってことで作れるかどうか調べ始めるが、日本国内でこんなことにチャレンジしてくれる場所を探し出すことができなく途方に暮れていたところに、縁が巡り巡ってチャレンジ精神むき出しで手伝ってくれると名乗り出てくれたのがイタリアでフェラーリの部品などを作っているX.Y.Z社・・・だったのである。
唐突に届く部品
ある日ケンチョッパーに荷物が届く。
実にざっくりである・・・この感じ、V-TWINの例の1件を思い出す…
開けても
これ、エンドミルの入れ物だろ
と、中身もざっくりだ。つーかこれが国際標準で日本の梱包いきすぎなんだけどね。これで十分だし傷もつかん。だたしV-TWIN、オメーの梱包だけはまじでどうかと思うぞ?
で、試作品はこんな感じである。
ふつーに売っている油圧ユニットの見た目と全く変わらないので、ちょっと不安になったがこれでガチのマジで1から全て作ったものである。
バラしても全く見た目は一緒。コピー機がチラシをコピーしたぐらい完全に見た目は一緒。
中身は
こんな感じでやっぱり純正品とそっくりだが、試作品なためバネ一本にいたるまですべてワンオフである。
この油圧ユニットの性能目標はちょっとしたハイカムでも十分耐えることなので、純正やだめな社外品など何個もバラし構造的欠点を放り出し、材質を見直すことによって今までのものとは一線違う性能を持っているはずだ。
今は届いたばかりなので、テストには至っていないが、近々ショベルに組んで走ってみたいと思っている。
終わりに
他にオリジナルでつくるぜ!と言っていたアウターチューブも当初の設計から大きく中身の仕様を変更され、組んで試乗している。これについては設計は完全に終わり、現在量産に入ろうかというところだ。
乗った感じは・・・良くも悪くもあの見た目でノーマルの35パイフォークである。ハンバーガードラムで8″オーバーとかでも全くブレずフツーに乗れる。スタビ無しで、である。これは33.4には絶対に不可能な強度だろう。
オイルについても絶賛進行中であるが、これはケンチョッパーブランドから外れる予定。現在は某バイク屋と用務員の手により耐久性がちょっと弱いという欠点を何とかするために試行錯誤中であるが、ギヤ式ポンプを全力で支える仕様となっている。
この辺の部品とそれらがついた車両を持ってホットロットに行くので、気になる人は当日現物をみて触って気になるところを話せれば幸いである。
ツー事で終わり!