スポーツスターの1速カコン!を考える

本日はネタの宝庫のような日だった。朝イチから・・・

壊れたクラッチプーラー

こんな目にあったりとなかなか散々な滑り出しである。

工具ぶっ壊したらその後は続かないって事で、ショベルの修理はさっさと諦めて車検となんか悪いところがあったら修理してーと持ち込まれたスポーツスターに着手することとする。
工具壊れるほど抜けないクラッチハブは後からかわいがってやろう。

巷で話題?のスポーツスターの1速カコン!って何?

で、このスポーツスター、オーナーは気にはしていたがそんなもんかと乗っていたらしい。用務員が乗ると1速のカコン!ぐらいは別に気にならないが、こいつ加速しようとするとたまにクラッチのジャダーみたいな症状が出る。

要は結構な音と共に推進力がカットされる感じ。直線なら別に気にもならないが、コーナー中にこれが出るとかなり危ない。

お店に戻って親分に聞いてみたところ割と有名な症状で、試しにGoogle辺りで検索するとサジェストに出てくる始末だ。

だがしかし20年以上ハーレーをいじっていたものの、ビックツインの4速ミッションばっかりに偏りまくった作業をしてきた用務員にはこれが初体験だった。

ただし4速ミッションについてはビックツイン、スポーツ問わずまもなく3桁に到達するんじゃないかって程度にはO/Hしてきている。この辺の経験も踏まえ、真剣にスポーツスター1速カコン問題に取り組んでみよう。

早速バラし始めて見よう。しかしスポーツのミッションはこの前ばらしたばっかりなのに重なるもんである。

頻発するなら必ず構造的欠陥がある!

スポーツスターのミッション本体

ばらして出てきたミッションを日光浴させてるところ。あんな暗く熱くそして油まみれで頑張ってるんだ、たまに日光浴でもしたくなるだう。これが親心ってやつである。

…ともかくバラした後に構造をしげしげと眺めながらまず1速カコン!の正体を考える。

巷ではギヤのシフタードックが噛み合わず力が入った瞬間にギヤが入るってのが定説のよう(検索結果みるとそんな感じに見受けられる)だが、4速、ビックツイン、5速問わずシフターフォークがギヤが入るポジションに来た時点で強制的にギヤは噛み合う。

もしこれが噛み合わない場合は、シフターギヤは結構な力で入るべきギヤに押し付けられるので相当な音が出る。

中途半端にギヤが入ってガガガガガガガガッガgーーぎぎーーーg-!!みたいな音を出した経験のある人もたくさんいるだろう。これがギヤが入っていないがシフターが押し付けられている時の音である。

これがしないってことは…

  1. ギヤが全く入っていない
  2. ギヤは完全に入っている

このどっちかである。この仮定で外したミッションでがちゃがちゃとギヤを入れてみるとギヤが半分しか噛まない時と完全に噛むときがあるのがわかった。
これ、シフトの仕方で多分どっちかになると思うんだけど、この中途半端に噛んでいてそこから完全に噛む位置にきたときに例のガコン!が起こるんではなかろうか?

ミッションのシフターギヤ?ドック?部分は

ミッションのシフタードック

ちと分かりづらいかもしれないが、こんな感じで斜めになっており、この斜めが回転力が加わる事で抜ける事を防止し、且つ中途半端に噛んでいたとしてもグッと入っていく作用がある。
おそらくクラッチを切ってニュートラルから1速に入れて、クラッチをつないで力がかかるとこいつの作用でギヤが奥に入る、そのときに例のガコン!が出るんじゃなかろうか?

で、なんで中途半端に噛む時があるってかっていうと

シフターシャフト

シフタードラムにはこんな溝が切ってあって、この溝をピンがスライドする。
このピンはシフターフォークに刺さっていて、そのシフターフォークがシフタードックを動かし(厳密には5速の場合はシフタードックがついたギヤを動かす)てギヤが入っていく仕組みだ。

写真の位置は正に1速の位置であるが、ちと分かりづらいがご覧のようにこのピンが止まる部分がガバガバ何である。

これ、実際に組んだ状態でシフターフォークを動かすと猛烈に(おそらくミリ単位で)左右する。さすがにギヤが抜けるほどは動かないが、それでも半分ぐらいしかドックがかからない程度には動く。

試しにそのへんに転がっていた新品(なぜそんなものが転がっているのかはわからんが)を見ても同様にここがでかい。ショベルとかのミッションよりでかい。

てことで、ここがスポーツスターの1速ガコン!となる一つの要因とみて間違いないだろう。

本当はここを狭め、しっかりとした位置に止めたいところだが、これから修理があるであろう他のスポーツスターにすべてその作業を施すとなると、手間とかかる費用を考えるにちと、現実的ではないのでここをいじることは考えるのをやめる。

他にも

ミッションが車体に収まっている

このシフタードラムを押さえる構造にも「これどーなん?」と思う部分がある。

ともかくスポーツスターのミッション、ビックツインや往年の4速スポーツスターなんかに比べるとコンパクトであり、よく考えてある。が、欠点があるとお見受けした。

てことでケンチョッパーでは、根本的な解決では無いが対処療法的な方法でこの問題にちと取り組んでみたい。

ともかく思いつた特注部品は発注したので、この部品とあの加工と念力を持って修理できるかの戦いが開幕したのであった…

今回は文章が長く、真面目な内容になっちまったけどたまにはバイク屋らしい事も書かないとね!

て、事で続報を乞うご期待!

–追記–

続きをかきました!ここからどーぞ

ふぅ~~~~……ゆるいのは用務員の尿意だけでいいんだけどな…

そうつぶやくと用務員はそっとハルンケアに手を伸ばすのであった…

 

終わり!

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